導入事例

国外の開発拠点から日本国内にあるタッチパネル機器を EBF/ARC を利用してリモートで開発

2023 年 02 月 07 日   採用製品 Timesys Embedded Board Farm

採用企業 : 車載機器メーカー E 社

国外の開発拠点から日本国内にあるタッチパネル機器を EBF/ARC を利用してリモートで開発

導入前の課題

E 社は車載機器製品のメーカーであり、機器開発にあたり日本国外の企業にハードウェアおよび搭載システム (Android OS) の開発委託を行っています。

基本的な開発は国外でも問題はありませんが、一部通信系の機能に関してリージョンに応じた規格や基準、カスタマイズがあり、どうしても日本の通信環境でのテストが必要になります。

そうした際、開発機器を国際便で郵送したり、現地からのエンジニア派遣を行っていたりしましたが、その分時間も費用もかかっていました。

そのため、開発機器は日本国内に設置したままで、海外からリモートで開発をする方法を検討していました。

導入の目的・解決手段

従来までも、開発機器に対してリモートでアクセスするには、SSH (Security Shell) などを使用した遠隔ログインについては実現できていました。 しかし、ハードウェアに対する物理的な操作(電源ON/OFF操作やタッチパネルの操作)ができないため、日本国内で開発機器のある場所にいる人が対応する必要がありました。

また、ファームウェアを書き換えるにも OTA(Over-The-Air:リモートアップデート)の仕組みが実装されていなかったため、直接ストレージのイメージを書き換える手段が限られていました。

そこで、Android 機器/システムのデバッグが遠隔地から行える Embedded Board Farm (EBF) と、Android のデバッグを支援する ADB Remote Controller (ARC) を導入しました。

導入効果

EBF では、専用のハードウェアにシリアル、イーサネット、SD、GPIO を接続できるので、ハードウェアやソフトウェアに対する特別な変更をすることなく、容易にリモートデバッグの環境を導入することができました。 EBF 自体に外部からアクセスできる環境を用意することで、機器毎にリモートアクセスの設定をする必要がなく、EBF にアクセスするだけでリモートアクセスが可能となることも、利点のひとつでした。

また、ARC と組み合わせることで、Android 機器のデバッグに欠かせないタッチパネルの操作やアプリケーション画面の確認がリモートから実現できるようになりました。
ARC は ADB の機能を活用し、タッチやマウス操作などのインプットイベントを仮想的に発生させ、通常実機に対して直接操作が必要な部分をリモートから行えるようにします。また、画面キャプチャの機能も備えているので、実際のアプリケーションの挙動を確認しながらデバッグが可能です。

EBF/ARC の導入により、開発機器の輸送やエンジニアが移動する時間とコストは大幅に削減されました。 また、ハードウェアの制御や操作がリモート側からできるようになったため、開発機器のある場所に人が不在のときなども継続してリモート作業が継続できるため、効率良く開発が行えるようになりました。

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