リモートデバッグ支援ソフトウェア「ADB Remote Controller」の提供を開始

Timesys 社のリモートデバッグ支援環境と連携

2022 年 06 月 13 日プレスリリース

リネオソリューションズ株式会社（英語表記 : Lineo Solutions, Inc. 本社 : 長野県塩尻市代表取締役会長佐野勝大、取締役社長小林明以下、リネオ）は、組込み Android™ 機器開発用のリモートデバッグ支援ソフトウェア「ADB Remote Controller（以下、ARC）」の提供を開始したことを発表いたします。

以前よりリモートデバッグ支援環境である Timesys Embedded Board Farm（以下、EBF）を提供してまいりましたが、Android 端末をリモート開発する際のタッチ操作やキー入力が課題でした。ARC はその問題を解決する支援ソフトウェアという位置づけになります。
ARC を導入することで、組込み Android 端末をリモート開発する際、従来はターゲットボードに直接入力していたタッチパネル、キーボードなどのインプットイベントを、Android debug bridge（adb）ツールを利用して PC から遠隔にあるターゲットに送信することができるようになります。特にタッチ操作などは Android 端末の実際の画面を PC 上に転送して表示したうえで位置（座標）の特定を行うため、実機を手元において行う操作と同じ感覚で操作できます。

ARC の導入により、リモート開発でもインプットイベントを手元にターゲットがあるかの様に発生させ、挙動を画像で確認しながらデバッグができるようになります。

動作確認環境

クライアント動作確認環境	Windows10 PRO Ubuntu 20.04 Ubuntu 18.04
動作確認済ターゲットOS	Android11
動作確認済ターゲットボード	MCIMX8MQ-EVK R-Car Starter Kit H3

ARC はリネオの提供する EBF と連携するソフトウェアです。 EBF は、組込み製品の開発時に、ネットワークを介してリモートでのシステム開発やソフトウェアのデバッグを行うことを可能にするソリューションです。開発中のボードは「Zombie（ゾンビ）」と呼ばれる専用インターフェース機器に接続します。Zombie は Board Farm Server と通信を行うことで、遠隔からのターゲット制御を行い、電源 ON / OFF / リブート、コンソールの操作、ストレージの書き換えなどをボードに触れることなくリモートで実行することが可能になります。

EBF は Timesys 社の製品です。Timesys 社は Linux のエンジニアリングサービスを提供する、米国ペンシルベニア州の企業です。リネオは Timesys 社の戦略的パートナーであり、Timesys 社製品の日本での販売とサポートを行っています。

Timesys Corporation 社長兼 CEO Atul Bansal 氏のコメント
With the ARC developed by Lineo , the development remote debugging workflows that can be realized with our EBF have greatly increased. This not only streamlines development, but also brings us one step closer to a solution that can be completed in a remote environment. Going forward, we will continue to strengthen our partnership with Lineo and provide solutions that meet the needs of our users.
(今回リネオが開発した ARC によって EBF でのリモートデバックで実現可能な開発項目が大幅に増えました。これにより開発の効率化だけでなく、リモート環境で完結できるソリューションへ更に一歩近づきました。今後もリネオとのパートナーシップをより強固なものにし、より一層ユーザー様のご要望にそったソリューションを提供してまいります。)