「リナックス（Linux）の組込み機器への応用、構築手法、解析手法」国立長野高専

2015 年 08 月 17 日   イベントレポート

国立長野高専での講習会のご報告

国立長野高専の技術セミナーの一つとして「リナックス（Linux）の組込み機器への応用、構築手法、解析手法」を 3 日にわたり講習を展開しました。

この取組みは 2006 年から始まっており、今年で 10 回目（現在の形態となって 9 回目）となります。組込みシステム産業の活性化を推進する長野県で開発に携わっている方々が受講され、開発への取り組みのきっかけづくりや研修の一環として活用されているようで、講義の聴講と実習に熱心に取り組まれました。

• 1 日目
  • 組込み Linux の解析環境づくり
    • 組込み Linux の開発環境と Linux カーネル
    • カーネルの構築（実習）
  • 組込み特有のデバイス実装
    • 組込み特有のデバイス制御と応用
    • デバイスドライバ（実習）

• 2 日目
  • 起動とマルチスレッド（並行複数処理）
    • Linux の起動
    • マルチスレッドプログラミング技法（実習解説）
  • デバッグ（検査実証）技術
    • デバッガの仕組み
    • リモートデバッグ（実習）

• 3 日目
  • カーネル内部の事象追跡技術
    • 静的トレーサ技術（LKST、ftrace）のしくみ
    • データ収集と分析 （1） （実習）
  • 組込み特有の割込みとその解析
    • 同期処理と割込みの解析法
    • デバイスドライバの割込み（実習）
  • 事象追跡技術の応用
    • 動的トレーサ技術 （kprobes, systemtap）やその応用
    • データ収集と分析 （2） （実習）

講習会実施にご尽力いただいた長野高専 鈴木教授のご挨拶

講習用テキスト

実習に使用した環境（ホスト PC, ターゲットボード（BeagleBone Black））

講義の様子

デバッグの応用例をデモも交えご紹介しました。

実習時には個別にサポートもしています。

今年も猛暑のなかでの開催となりましたが、例年より多い 16 名が参加され、みなさん熱心に取り組まれました。今年は最近コミュニティ等でも広く使われる "BeagleBone Black" を実習全編でターゲットボードとして使用したこともあり、ソースコードの読み方やコミュニティ情報をどう活用するかなど、Linux に慣れ親しむ機会となり、各々の目標を達成されました。講習最後には修了書をお渡しし終了となりました。